動物医療も日進月歩で進歩し,病気の診断や治療成績も昔に比べて格段に向上しています。しかし,正しい予防の知識さえもっていれば,病気そのものを防げることも意外と多いのです。しかも,病気によっては,一旦発症すると有効な治療法がなかったり,慢性経過をとる病気も少なくありません。
病気の原因が次々と解明されるようになった今日,ヒトでは「治す医療」と同じくらい「予防する医療(予防医学)」が重要視されています。そして「治す医療」は専門家が努力すべき課題ですが,「予防する医療」は専門家による予防医学の研究もさることながら,家族や患者本人の理解と協力なしには達成できません。このことは動物においても同じことがいえます。飼い主の方が,動物と共に楽しく幸せに暮らして頂くためにも,自らはもちろんのこと動物達についても「予防する医療」を正しく理解して実践して頂くことを心から願っています。予防医学の普及啓発はホームドクターの責務と考えております。

百の治療よりも 1 つの予防が大切!

感染症(伝染病)

犬・猫の感染症(伝染病)

犬や猫にもいろいろな感染症(伝染病)があります。これらの感染症の中には,感染力が強く,死亡率が高いもの,治癒しても後遺症が残るもの,あるいは一旦発病すると慢性経過をとり一生治癒しないもの,さらには動物からヒトにも感染する動物由来感染症(人獣共通感染症;Zoonosis)も含まれています。
犬や猫における感染症の大半はウイルス性疾患ですが,その多くは今なお特効薬や確実な治療法がありません。家族の一員である犬や猫達を,これらの恐ろしい感染症(伝染病)から守るためにはワクチン接種(予防注射)による予防が最も効果的です。すべての感染症についてワクチンが開発されているわけではなく,またワクチンの効果も100%ではありませんが,国内で発生している感染症(伝染病)の多くはワクチン接種を行うことで極めて高率に防ぐことができます。仮にワクチンで発症を完全に防げなかった場合でも軽症ですむことが多くなります。犬猫達を恐ろしい感染症から守るためには,飼い主の方の正しい感染症予防に対する意識と知識が大切です。
  これから犬猫の飼育を始める方はもちろんのこと,すでに今お家にいる犬猫達でワクチン接種を受けていない場合には,早めにワクチン接種を受けて下さい。

犬のワクチン