麻酔の危険性
不妊手術の実施には,全身麻酔が必要となります。全身麻酔の実施は,いかなる場合でもある程度のリスクを伴い,100%の安全が保証されているわけではありません。特に幼齢動物や老齢動物,さらには病気にかかった動物となれば麻酔の危険性は高くなります。不妊手術時の麻酔の安全性については麻酔方法やモニター設備さらには経験によってすべての動物病院で一様とはいえませんが,少なくとも標準的な設備を有した病院において健康な動物が対象であれば,麻酔の危険性をそれほど心配する必要はないかと思います。ただ,不妊手術を受けようとする動物が本当に健康であるかどうかは,身体検査のみで判断することは困難であり,健康と思われる動物においても全身麻酔を行う前には,血液検査にて貧血の有無,肝機能および腎機能などのチェックをお奨めしています。なお,当院では麻酔覚醒時のトラブルを避けるため,術後は1日入院とさせて頂いております。