井笠動物医療センター 倉敷マスカット通り動物病院

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倉敷マスカット通り動物病院
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※倉敷マスカット通り動物病院・小出動物病院共にお問い合わせの概要はこちらからご確認ください。

定期健康診断

定期的健康診断の必要性

病気を早期に治療するためには

 動物にもヒトと同じようにさまざまな病気があります。そして不幸にして病気にかかった場合には,ヒトと同じようにできるだけ早期に治療を行うことが大切であることは言うまでもありません。早期治療を行うためには,当然のことながら早期診断が必要不可欠となります。

“病気治療の基本は早期発見・早期治療です!”

病気を早期発見するためには

 ご家族の方が,いち早く動物の病気に気づくためには,日頃からの動物を状態をよく観察する習慣をつけておくことが大切です。ただし,病気によっては外見からは判断できない病気も数多くあります。よくヒトでは肝臓や脾臓のことを”沈黙の臓器”などと言いますが,これはこれらの臓器が深刻な病気に侵されていても末期になるまでその異常を自覚できないからです。このことは動物でも全く同様であり,”物言わぬ動物”の”物言わぬ臓器”の異常を早期に発見するとなると,それなりの検査が必要不可欠となるのです。

“「物言わぬ動物」の「沈黙の臓器」の異常は末期になるまで無症状!”

定期的健康診断のメリットは

 ヒトでは出生児から幼児の定期検診,学校や会社さらには地域での集団検診はもとより,ある程度の年齢からはより詳細な健康診断のための”人間ドック”が当たり前のこととして行われています。そして,これらの定期的な健康診断が病気の早期発見に非常に役立っています。また,定期的な健康診断時の医学的な検査結果は,今後考えられる病気を予測し,生活指導により未然に病気を防ぐことにも役立っています。このことは,動物においても同じなのです。しかも,動物の方がヒトより寿命が短いと同時に病気の進行はずいぶん早いため,ご家族の方が明らかな症状に気づいて動物病院を受診した時には,すでに病気が進行してしまっていたり,中には手遅れとなっている場合も少なくありません。
 定期的な健康診断によるメリットは,何と言っても病気の早期発見につながることです。病気やその前兆がより早期に発見できれば,治癒率の向上や治療期間の短縮が期待でき,動物にとっての身体的負担はもちろんのこと,ご家族の方の負担も軽減します。もし,治癒の望めない慢性疾患であった場合でも初期であれば,病態進行を抑制することで生活の質の向上や延命につながります。さらに,幸い検査に異常が認められない場合でも健康時の検査データは,その後に異常が起こったときの検査データとの比較検討することで,個体差を考慮した,より的確な病態の判定や診断が可能となります。また,定期的な検査データの推移をみることで,今後起こり得る病気を予測し,重篤な病気になる前に防げることも少なくありません。

“「物言わぬ動物」の病気を早期発見するには定期的な健康診断が一番!”

定期的健康診断の時期

 定期的な健康診断といっても,推奨される検査の内容や検査の間隔は,年齢や動物種によって,さらにはそれぞれの動物の健康状態によっても異なります。健康と思われる犬猫での健康診断の実施時期の目安は以下の通りです。

 当院で推奨している犬と猫の健康診断の時期
 ・2カ月齢時検診(初回ワクチン接種時)
 ・3カ月齢時検診(2回目ワクチン接種時)
 ・4カ月齢時検診(犬のみ:3回目のワクチン接種時)
 ・6カ月齢時検診(不妊手術の実施前)
 ・以後5~6歳までは,年1回
 ・7~8歳以上になったら,年2回
 ・10~12歳以上になったら,年3回

 上記に示した健康診断の時期はあくまで健康状態に大きな問題がない場合の目安であり,慢性疾患を有する動物ではさらに短い間隔での検診が推奨されます。また,自宅で生まれた犬や繁殖施設においては出生後間もない時期と生後1カ月齢前後の検診も推奨しています。
 ちなみに犬猫の年齢をヒトの年齢に換算した場合,犬猫の12~18カ月齢はヒトの20歳に相当し,その後の1年はヒトの年齢に換算すると4~6年に相当します。このため,成長した犬猫における年1回の検診はヒトで4~6年に1回の検診を行っているのと同等になります。
 当院でワクチン接種やフィラリア予防を受けている動物は,その際に健康診断を実施させて頂いております。そしてフィラリア予防開始前に行う血液検査では,年齢や個々の動物の病歴や健康状態に応じた検査をお奨めしており,より詳細な健康状態のチェックが可能になると共に病気の早期発見や予防に役立っています。また,なんらかの異常が認められた場合には,より精密な検査を受けて頂くことも可能です。春のフィラリア予防前の血液検査で異常がみつかる動物は少なくありませんので,健康診断も兼ねて必ず実施して頂くようにお願いしております。


“成長した犬猫の1年はヒトの年齢では4~6年に相当!”

定期的健康診断の検査内容

 定期的な健康診断といっても,ヒトにおいても視診や聴診などを中心とした簡単な身体検査からCT検査や内視鏡検査まで検査内容はさまざまです。このことは動物においても同じで当院ではそれぞれの動物の年齢や病歴ならびに健康状態にあわせて実施すべき検査をご提案致しております。
 定期的な健康診断時の検査内容
 ・身体検査(体重測定,体温測定,視診,聴診,触診)
 ・糞便検査(寄生虫検査など)
 ・尿検査(尿化学検査,尿沈渣検査)
 ・血液検査(血液一般検査,血液化学検査,血液凝固系検査,内分泌検査,血液寄生虫検査,猫ウイルス検査,血液ガス分析検査,etc)
 ・心電図検査
 ・レントゲン検査(胸部,腹部,骨格系)
 ・超音波検査(心エコー,腹部エコー)

  注意) 実施すべき検査内容は,年齢や病歴によって内容は異なります。
また,何らかの異常が発見された場合には,より詳細な検査をお勧めしています。

注意すべき病気(年齢別)

 動物の病気の発生は,いかなる年齢においても起こりますが,年齢によって起こりやすい病気や注意すべき病気は若干異なります。以下に年齢別に注意すべき代表的な病気を示します。

1歳未満の場合

 若齢動物における健康診断では,先天性異常(奇形)をはじめ,内部寄生虫(特に回虫や原虫)や外部寄生虫(ノミ,ミミヒゼンダニなど),さらには発育状態や栄養状態のチェックなどが重要です。
 当院では,ワクチン接種時の検便についてはサービス(無料)となっております。なお,猫において猫白血病ウイルスを含むワクチン接種を初めて行う場合には,すでに感染していないか血液検査によるウイルス検査をが必要です。

“初回ワクチン接種時には先天性異常のチェックと飼育指導が重要!”

犬猫の先天性異常について

 比較的多く認められる犬猫の先天性異常を下記に示します。

 犬猫に発生しやすい先天性異常
 ・口腔・・・・・ 口蓋裂,歯の異常(不正咬合,乳歯遺残)
 ・感覚器・・・・ 瞳孔膜遺残,眼瞼形成不全症
 ・脳神経・・・・ 水頭症
 ・生殖器・・・・ 潜在精巣(陰こう),半陰陽
 ・泌尿器・・・・ 異所性尿管
 ・消化器・・・・ 先天性門脈体循環シャント,非肝硬変性肝線維症,門脈低形成
 ・循環器・・・・ 心奇形(動脈管開存症,大動脈弁狭窄症,肺動脈弁狭窄症,心室中隔欠損症,ファロー四徴)
 ・骨格系・・・・ 狼爪,膝蓋骨脱臼,股関節形成不全,泉門開存症,後頭骨形成不全症
 ・ヘルニア・・・ 臍ヘルニア,鼠径ヘルニア,腹膜心膜横隔膜ヘルニア

 ※これ以外にもさまざまな先天性異常(奇形)が報告されています。


 先天性異常の中で,瞳孔膜遺残,泉門開存,狼爪,口蓋裂,臍ヘルニア,心奇形などのように外観や聴診で容易に診断あるいはその疑いをもつことができものでは,通常初回ワクチン時あるいはそれ以前の検診で確認ができます。しかし中には,股関節形成不全,膝蓋骨脱臼などのように,ある程度成長して初めて異常が明確となる場合や,さらに門脈体循環シャントや水頭症などのように臨床症状が発現する前であれば特殊な検査を行わないと判断できないものもあります。
 不幸にして先天性異常(奇形)が認められた場合,比較的簡単に治療が可能なものから,根治のためには高額で高度な外科手術が必要なもの,さらには現在の獣医療では根治が困難で長期生存さえ望めないものまであります。
 ブリーダーやペットショップでは,販売直後の異常や明らかに先天性あるいは遺伝性疾患と思われる異常が確認された場合には,何らかの形で保証を行ってくれるところもありますが,施設によってその対応はさまざまで,トラブルの原因となっていることがあります。このため動物の購入時にはその売買契約の中で,保証の問題などについても十分に確認しておくと共に,購入後は早期に動物病院で検診を受けて頂くことをお奨めしています。また,ブリーダーの方々には遺伝性疾患に関係する動物を繁殖に使用しないようにして頂くと共に,ペットショップも含め,販売前には獣医師による適切な健康診断を受けて頂くようにお願いならびに指導を行っております。

各種寄生虫のチェック

 子犬や子猫では,回虫や原虫などの消化管内寄生虫が高率に認められます。これらの消化管内寄生虫は若齢動物では栄養障害や発育障害の原因となるばかりでなく,生活環境の変化に伴うストレスが加わることで,しばしば下痢や嘔吐などの重篤な消化器症状を引き起こします。さらにこのことがトイレのしつけを遅らせる原因になったり,飼育環境中に虫卵をばらまくことで他の動物やヒトへの感染源となります。また,不衛生な繁殖施設や販売施設でしばしば認められるノミやミミヒゼンダニについても,同居動物などがいる場合には容易に感染してしまいます。
 新たな動物を迎え入れる場合には,必ず寄生虫のチェックを行い,感染拡大や環境汚染に注意する必要があります。

発育状態と栄養状態のチェック

 成長期における栄養の過不足による栄養障害(削痩や肥満)は,将来的にさまざまな病気を引き起こす原因ともなりかねません。また,その原因が不適切な食事内容によって起こっている場合には,くる病やさらには栄養性上皮小体機能亢進症などの代謝性骨疾患や皮膚疾患などにもつながります。これらの異常は,動物病院で定期的に栄養状態や発育状態のチェックを行うと共に,適切な飼育や食事指導を受けて守って頂くことで防ぐことができます。

1歳から6歳の場合

 この時期の動物は,ケンカや事故を除けば比較的大きな病気は少ないのですが,歯周病の原因となる歯石,外耳炎(特に犬)やアトピー性皮膚炎などの発生は非常に多くなります。また,消化管内寄生虫(瓜実条虫,鉤虫,鞭虫,マンソン裂頭条虫,壺型吸虫,コクシジウム,トリコモナス,ジアルジアなど)や外部寄生虫(ノミ,マダニなど)なども飼育環境によってはしばしば問題となります。軽度の関節や骨格の先天性異常がもともと存在していた場合には,その異常が進行する時期でもあります。
 栄養状態に関しては,しばしば肥満が問題となりますが,将来的にさまざまな老齢病を引き起こす可能性があります。
 この時期の動物における健康診断は,通常1年に1回のワクチン接種時の身体検査や検便ならびに1年に1回のフィラリア予防前の身体検査と血液検査が中心となります。要するに1年に1回のワクチン接種やフィラリア検査に来院して頂くことは,動物の健康管理の基本である病気の予防のみならず,重要な定期的健康診断の意味をもっています。なお,健康診断の間隔は,特別な異常がなければ年1回でよろしいので,春のフィラリア検査時にワクチン接種を同時に済ませて頂いても結構です。もし,フィラリア検査とワクチン時期をずらせば,基本的な予防における来院で年2回の健康診断が可能になります。

“年1回のワクチン接種とフィラリア検査は定期的健康診断も兼ねています!”

7歳以上の場合

 犬や猫においてもヒトと同様に年齢を重ねると,様々な生活習慣病や老齢病が認められるようになります。犬や猫の平均寿命は品種や大きさよって若干異なるため,老齢期の定義も以下のように多少異なります。

 動物のサイズ別にみた老齢期の年齢の目安
 ・猫・・・・・・・・12歳以上
 ・小型・中型犬・・・12歳以上
 ・大型犬・・・・・・8歳~10歳以上
 ・超大型犬・・・・・8歳以上

 大型犬は,小型犬よりも寿命が短く,大きな犬ほど早い時期から老齢期の健康管理を始める必要があります。いずれにしても壮年期から老齢期にかけては,体だけでなくそれぞれの臓器も老化現象が起こり,しいては機能不全が認められるようになります。また,この時期には新生物である腫瘍(ガンや肉腫)も発生率が急増します。具体的な異常については以下のようなものがあります。

 壮年期から老年期の動物でしばしば認められる代表的な疾患
 ・心臓疾患・・・・・ 後天性弁膜症(犬の僧帽弁閉鎖不全症),心不全
 ・呼吸器疾患・・・・ 気管虚脱(犬),慢性気管支炎,気管支拡張症,肺腫瘍
 ・内分泌疾患・・・・ 糖尿病,副腎皮質機能亢進症(犬),甲状腺機能低下症(犬),甲状腺機能亢進症(主に猫)
 ・肝・胆道疾患・・・ 慢性肝炎,慢性胆管炎,胆嚢炎,胆石,肝不全,肝臓腫瘍
 ・泌尿器疾患・・・・ 慢性腎不全,尿路結石症
 ・生殖器疾患・・・・ 子宮蓄膿症,卵巣嚢腫,卵巣腫瘍,精巣腫瘍,前立腺疾患
 ・感覚器疾患・・・・ 白内障,緑内障,外耳炎の悪化による腫瘍化
 ・皮膚疾患・・・・・ 内分泌性皮膚炎,皮膚腫瘍,乳腺腫瘍
 ・肛門周囲疾患・・・ 肛門嚢周囲炎,肛門周囲腺腫,会陰ヘルニア
 ・関節疾患・・・・・ 変形性関節症,変形性脊椎症
 ・脳神経疾患・・・・ 認知症,脳腫瘍,椎間板ヘルニア

 生活習慣病や老齢病の中には,慢性経過をとり初期には無症状で病気が進行してはじめて症状が現れるようになるものも少なくありません。これらの慢性疾患では,根治が難しいものも多いのですが,早期に治療を始めることで,病態の進行を少しでも遅らせたりをコントロールしたりすることは可能です。また,診断が遅れると致命的となり易い腫瘍や生殖器の疾患においても,早期に外科手術を行えば,根治が可能な場合も少なくありません。早期診断治療のためには,やはりこまめな健康診断により身体検査や各種臨床検査を受けることが必要です。
 当院では,この時期の動物においてはフィラリア検査の際に採取した血液で,フィラリア検査に加えて,さまざまな病気のチェックも同時に行うことを推奨しています。なお,フィラリア検査時には病院が混み合うこともあり,その場ですぐに詳しい追加検査やじっくりと時間をかけての説明が行い難い場合があります。このため,7歳以上の動物に関しては,半日お預かりしての人間ドックならぬ犬の「わんわんドック」,猫の「にゃんにゃんドック」がお勧めです。ドックの内容は,精密な血液検査,エックス線検査,超音波検査などが中心ですが,その動物にあった検査内容をご提案することが可能です。高齢動物では年2~3回の検診と最低年1回の精密検査をお勧めします。

“老齢期には3ヵ月ごとの検診と年1回の精密検査が理想です!”

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