井笠動物医療センター 倉敷マスカット通り動物病院

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子犬のワクチンプログラム

 通常子犬は,出生時に主に初乳(一部胎盤)を通じて母犬から移行抗体(母子免疫)をもらい受けています。この母子免疫は乳児期から幼児期のある一定の期間において子犬を感染症から守ってくれます。しかし母子免疫は永久的な免疫ではなく,早い場合は生後2カ月未満,遅くとも生後4カ月頃までにその効果は消失します。母子免疫の効果が消失した子犬は,無防備な状態となるため感染症にかかりやすく,さらに体力がないため死亡率も高くなります。このため母子免疫が消失する時期の子犬に対しては,速やかにワクチン接種により免疫(能動免疫)を獲得させる必要があります。しかし,母子免疫の消失時期には個体差があり,母子免疫が十分な時期にワクチン接種を行ってもその効果は期待できません。母子免疫の状態が不明な子犬に対して確実にワクチン効果(免疫応答)を期待するためには,繰り返しワクチン接種を行う必要があります。
 ワクチン接種時の月齢とその有効率については,使用するワクチンの種類にもよりますが,母子免疫の消失時期に相関しており,統計的には生後2カ月で50%,生後3カ月で85%,生後4カ月で99%といわれています。子犬を感染症から守るためのワクチン接種プログラムには,いろいろな方法があります。最も効果的な方法としては,生後数週間後から生後4カ月を過ぎる頃まで3週間毎にワクチンを繰り返し接種する方法があります。しかし,この方法ではあまりに費用がかかってしまいます。接種回数をできるだけ少なくするためには,初回接種時期を遅らせればよいのですが,その間に感染症にかかってしまうと致命的となりかねません。それぞれの子犬においてワクチン接種の適期を判断したり,あるいはワクチン接種後の効果確認を行うために,子犬の血液を採取して,感染症に対する免疫(抗体価)を測定することもできますが,多価ワクチン接種を予定している場合にはそれぞれの感染症に対する抗体価をすべて測定する必要があります。さらに期待する検査結果が得られなかった場合には高額な検査を繰り返し受けなければなりません。これらの点を考慮し,50%の効果が期待できる生後2カ月前後に初回接種を行い,その後は1カ月毎に3回接種することで99%の効果を期待するワクチン接種プログラムが最近の主流となっています。なお,母親が1年以内にワクチン接種を行っていなかったり,初乳を十分に授乳していない可能性のある子犬では,より早い時期に初回ワクチン接種を行うことが推奨されています。また,感染症の流行や危険性が高い地域で飼育される場合,さらにそのような地域において多数の犬が集まる訓練所やペットホテルなどを利用する場合には,よりワクチン効果を確実にするために生後5~6カ月の時点でもう一回ワクチン接種を行うことを推奨しています。

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