フィラリアの感染経路と生活環
犬フィラリアは,すでにフィラリアの感染している犬の血液中にいるミクロフィラリアと呼ばれる子虫を吸血した蚊によって媒介されます。蚊の体内で感染力を身に付けたフィラリア幼虫は蚊が再び別の動物を吸血する際に,その動物の皮膚や皮下組織内に感染します。このようにして感染したフィラリア幼虫は,しばらくは感染部位近くの皮膚や皮下組織内で発育しますが,数ヶ月後には静脈血管に進入し,最終的に肺動脈内へと流れ着きます。そして何回か脱皮を繰り返して感染から6カ月後には長さ17~28cm程度の細長い白い成虫へと成長します。この成虫の寿命は5年前後と消化管内寄生虫に比べて長く,寿命が尽きて死んでも肺動脈の末梢に目詰まりして体の外に出ることはありません