フィラリア症の感染率
フィラリアは,予防の普及により昔に比べると随分少なくなっており,都市部の動物病院においてはフィラリア感染犬を見かけること少なくなっているようです。しかし,残念ながら当院のような田舎ではフィラリアの予防率は6割程度と低く,感染率はなんと未だに3割以上です。要するに正しい予防を行っていない成犬のほとんどが感染している計算になります。このため,すでに過去の病気と言われているフィラリア症を発症する犬が今なお後を絶ちません。予防を行わずに屋外で犬を飼育した場合のフィラリア感染率は,最近の調査においても当地では1年で50%,2年で80%,そして3年で95%以上です。この結果は,予防を行わずに屋外で飼育すると3年程でほとんどの犬がフィラリアに感染してしまうということです。なお,完全室内飼育されている犬で蚊に刺される危険がなければ,フィラリアに感染することはありません。しかし,室内飼育の場合でも,屋外での散歩やベランダあるいは室内においても蚊に刺される危険性があれば,フィラリアが感染する可能性は決して低くありません。当地のようにフィラリア感染率の高い地域では,たまたま1匹の蚊に刺されただけでも数匹のフィラリアが感染してしまうことがあります。