フィラリア検査時の血液検査
フィラリア検査は,血液を調べることでその動物がフィラリアに感染していないかどうかを調べる検査です。この検査には血液中のフィラリアの子虫(ミクロフィラア)の有無を顕微鏡で調べる簡易検査とフィラリア成虫そのものの有無を調べるためのフィラリア抗原検査があります。ミクロフィラリアは,フィラリアがすでに感染していても認められない場合が多いため,当院ではこの簡易検査と同時に抗原検査も同時に実施しております。フィラリア感染が確認された場合には,超音波検査により感染したフィラリアの虫体数や動物の病態をより詳しく検査することも可能です。
なお,認可された予防薬を指示通り投与されている場合にはフィラリア予防効果は100%であるため,毎年予防薬を飲ませて頂いている動物における予防薬開始前の血液検査の目的は,正しく予防が行われていたかどうかの確認ともう1つは定期的な健康診断の役割も兼ねています。
当院では,健康犬や健康猫において年1回行うフィラリア検査時の血液検査では定期的健康診断の一環として年齢や既往症に合わせ,肝臓や腎臓などの内臓機能チェックも同時に行っています。これにより,その子の健康時の血液データを把握できると共に,毎年の検査の値を比較することで「物言わぬ動物」のさらには肝臓のような「物言わぬ臓器」の異常を早期に発見することができるなど,動物の健康管理に大変役立っています。